デザインのレビュー作業などで相手にファイルを送る場合など、Adobe Illustratorで作成したデザインをPDF形式で保存する際、「ファイルサイズが大きすぎて送れない…」という経験はありませんか?
この記事では、PDF作成時に知っておきたい圧縮設定の基本と、用途別に最適な設定方法を分かりやすく解説します。目的に合わせて、賢くファイルを軽量化しましょう。
IllustratorからPDFを作成する際、圧縮のポイントとなるのは「画像のダウンサンプル」と「圧縮形式」の2点です。ダウンサンプルとは、高解像度の画像を自動的に指定解像度まで下げる機能で、これによりファイルサイズが大幅に軽くなります。また、圧縮形式には「JPEG」「ZIP」があり、JPEGは軽量化重視、ZIPは画質保持重視となります。これらを適切に設定することで、画質を保ちつつ効率的に容量を抑えることができます。
まずは、IllustratorでPDFファイルを作成する手順を確認してみましょう。
1. 「ファイル」メニュー>「コピーを保存」または「書き出し」を選択
2. 「書き出し形式」でファイル形式をAdobe PDF(pdf)を指定し、「保存/書き出し」をクリック
(「別名で保存」でも同様のことができますが、ファイル作成においては上記の方法をお勧めします)
3. 「PDFを保存」オプションにて、「Adobe PDFプリセット」から「[最小ファイルサイズ(PDF 1.6)]」を指定し、PDFを保存
プリセットには、[最小ファイルサイズ」と[最小ファイルサイズ(PDF 1.6)]」がありますが、これはPDFの互換性、対応しているAcrobatとPDFファイルのバージョンと違いになります。基本的にはファイルサイズを調整する部分においては大きな差はありませんが、セキュリティやその他の互換性の部分でバージョンは新しいものを選んだ方が良いでしょう。
4. 「ファイル」メニュー>「書き出し」を選択の場合
5. 「書き出し形式」でファイル形式をAdobe PDF(pdf)を指定し、「書き出し」をクリック (「別名で保存」の場合は手順1〜3を参照)
レビュー作業やメール添付用には、PDFをできるだけ軽く仕上げることが求められます。
よりファイルサイズを小さくする目的であれば、「Adobe PDFを保存」のダイアログで、「圧縮」項目を選択し、各数字を任意に指定することができます。
より圧縮するなら、以下ような設定をお試しください。
⚫︎ 圧縮
→ カラー画像:ダウンサンプル(バイキュービック法)「72ppi」 次の解像度を超える場合「108ppi」( 108ppi以上を72ppiにダウンサンプルするという設定)
→ 圧縮:「自動(JPEG)」
→ 画質:「低」
→ グレースケール画像:ダウンサンプル(バイキュービック法)「100ppi」 次の解像度を超える場合「150ppi」
→ 圧縮:「自動(JPEG)」
→ 画質:「低」
このような設定により、目視での確認や画面表示に問題ないレベルで、ギリギリまでファイルサイズを抑えることができます。ただし、過度な圧縮は画質劣化(モワレや色の階調が損なわれて見えることがあります)に繋がる可能性があるため注意が必要です。
また、それでもファイル容量が思ったように小さくならないと言う場合は、Illustratorのドキュメントに張り込まれている画像の解像度やサイズを確認してください。
1. llustratorの「ウィンドウ」メニューから「リンク」を選択し、パネル内でリンクされている画像をクリック
2. パネル下部の「リンク情報を表示」をクリックし、「PPI/寸法/拡大·縮小」をチェック
50%以上縮小されて張り込まれている場合はPPIも高くなっていますので、張り込む画像自体を予め実寸サイズで準備すればファイルサイズを抑えることができます。
いかがでしたでしょうか。Illustartorでデータを作成した際のPDF作成する際にファイルが圧縮できることがわかったかと思います。
PDF作成時の圧縮方法では思った通りのファイルサイズにならない場合もあります。その際には、Illusratorに張り込んでいる画像のサイズが適切か確認してください。
その上でさらに圧縮したい場合は、書き出したPDFをAdobe AcrobatのPDFの最適化の機能を使用して、さらに圧縮すると良いでしょう。 ぜひこの情報が、あなたのIllustratorでのPDF作成に役立つことを願っています。